【連載】新型コロナ騒動を検証する〜その存在証明から目的まで〜(高橋清隆)

第4回 無症状感染はあるか?

高橋清隆

新型コロナウイルス騒動が始まった2020年春以降、感染症対策の名の下、われわれの社会生活は大きく制限されてきた。マスク着用や社会的距離の確保、営業自粛、イベントや集会の抑制など。そうした「新しい生活様式」が必要とする根拠になっているのが、無症状感染があり得るとする説である。しかし、無症状感染は本当にあるのか。

コロナ騒動以前、無症状感染はあり得ないと考えるのが一般的だった。この社会通念を覆したのが20年1月30日、米国の医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』のオンライン版に掲載された「ドイツにおける無症状接触からの新型コロナの伝播(でんぱ)」(“Transmission of 2019-nCoV Infection from an Asymptomatic Contact in Germany”: https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2001468)と題する論文である。新型コロナウイルスに感染したものの症状が出ていなかった中国・上海市の女性が仕事でドイツを訪れ、この女性と会議で同席したドイツ人男性がウイルスに感染したというもの。世界中のマスコミが大々的に報じ、感染症対策の必要が叫ばれるきっかけになった。

しかし翌2月、独バイエルン州衛生当局と独ロベルト・コッホ研究所が中国語で本人に聞き取り調査をした結果、ドイツ滞在中から背中の痛みなど軽い症状が出ていたことが分かった(https://www.science.org/content/article/paper-non-symptomatic-patient-transmitting-coronavirus-wrong)。しかし、この事態は各国の保健政策に反映されていない。

筆者が2020年10月、厚生労働省に「無症状者から新型コロナウイルス(COVID-19)が感染する根拠を示す文書(科学論文など参考資料で結構です)」を開示請求をしたところ、1度の延期を経て同年12月に【写真1】の開示決定通知書を受け取った。そこには次の3つの文書の名称が示されていた。

写真1

 

厚生労働省HP新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q2-3

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)ホームページ
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/how-covid-spreads.html?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fcoronavirus%2F2019-ncov%2Fprepare%2Ftransmission.html

台湾における新型コロナウイルス感染症発症者の感染力の研究
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2765641?resultClick=1

当時(1)のホームページQ&A問3は「無症状病原体保有者(症状はないが検査が陽性だった者)からも、感染する可能性がありますか」の表題だった【写真2】。

写真2

 

これに対し「台湾における研究では、新型コロナウイルス感染症は、発症前も含めて、発症前後の時期に最も感染力が高いとの報告がされています」との答えを載せ、(2)と(3)の論考を挙げていた。

現在は「新型コロナウイルスに感染した人から、感染する可能性があるのはいつまでですか。」の表題に変わったものの、「発症の2日前から発症後7~10日間程度他の人に感染させる可能性があるとされています」の答えを載せ、無症状感染があり得るとしている。

(2)は「無症状感染者もまた、そのウイルスを他人にうつす可能性がある」としているが、根拠が示されていない。よって、(3)の「台湾論文」【写真3】を検討する。

写真3

 

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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