【連載】新型コロナ騒動を検証する〜その存在証明から目的まで〜(高橋清隆)

東日本大震災を超える「ワクチン死」、コロナワクチン遺族「繋ぐ会」の訴え

高橋清隆

新型コロナウイルスワクチン接種後に死亡した遺族でつくる「繋ぐ会」が、2022年12月9日、東京都内で2度目の記者会見を開いた。同年10月に結成し、被害者認定と同ワクチン接種の即時中止を求めてきたが、何を言っても聞かない厚生労働省の姿勢にあきれ果てたためだ。

国民一人ひとりの〝覚醒〟を促すしかないと考え、「繋ぐ会」の母体である「コロナワクチン被害者駆け込み寺」(鵜川和久代表)は自主制作映画『真実を教えてください2』を引っ提げ、全国で上映会を活発化させている。

Coronavirus written newspaper close up shot to the text.

 

・集団訴訟を視野に遺族会が結成会見

「繋ぐ会」の会員は2022年12月9日現在、52人。発起人で代表代理を務める「駆け込み寺」の鵜川代表は100人以上の遺族と面談してきた。東京・調布のキックバックカフェで開かれた2度目の記者会見の冒頭、鵜川代表は不満を率直に吐露した。

「(2週間前の)11月25日の勉強会で厚労省にきちっと伝えたにもかかわらず、彼らは一切、振り向かなかった。その流れが本当に悔しくて。どれだけ厚労省や政治家に言っても変わらないだろう」。

続いて遺族の小金井隆行さんも開口一番、「うんざりしている」とこぼした。

「とにかくこのコロナの状況を終わらせたい。11月25日、政府の方にそれを伝えても通らないことを痛感した。そうなると国民が気づくしかない」。

「繋ぐ会」は12人の遺族が集まって結成され、同年10月20日に都内で記者会見を開いている。その際、代理人を務めることになった青山雅幸弁護士が会の取り組みとして、①被害者遺族が予防接種健康被害救済制度に申請する際に協力する、②死亡とワクチン接種との医学的因果関係の解析を進める、③同制度で捕捉できない場合は、国などに対して集団訴訟を提起するとの考えを示した。

 

この時点までに厚労省が副反応疑い報告として発表した死者は1883人。5~11歳の児童2人が含まれる。会見に同席した中村篤史医師は、「このワクチンがなぜ中止にならないのか」と疑問を投げ掛けている。

新型コロナウイルスワクチンによる副反応被害は、2022年12月16日の厚労省「予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」発表で死亡1908人、重篤は製造販売業者からの報告で2万5892人に達する。その危険性が国民に浸透しているとは到底いえない。

Japanese admission ticket for inoculating the new corona vaccine.

 

・学者とともに厚労職員に訴えた遺族

前述の「11月25日の勉強会」とは、「子どもへのワクチン接種とワクチン後遺症を考える超党派議員連盟」(会長・川田龍平参院議員=立憲民主党)が衆議院議員会館内で開いたもの。ここに「繋ぐ会」の遺族3人と「駆け込み寺」の鵜川代表が、3人の学者とともに参加した。

 

はじめに川田議員が「深刻な状況」であるとの認識を伝え、情報共有を呼びかけた。厚労省の担当者は、死亡事例の認可状況を説明した。
予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度により、新型コロナワクチンを含む臨時接種に係る死亡の場合、死亡一時金4420万円の補償が規定されている。

2022年12月12日までに認められた死亡一時金の給付は15件だが、副反応検討部会で「α(ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの)」と認められた例は1件もない。

担当者は救済制度の審査について、「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象」と繰り返した。「α」「β(因果関係が認められない)」「γ(不明)」の分類について「必要な安全対策を講じるのに活用している」と強弁した。

遺族側は不満を抑えられない。鵜川代表は「昨年(2021年)9月に会を立ち上げたとき、500~600人の死亡者だった。救済できるのは国だと思っているが、全く対応がなされていない。ワクチン被害者は行く先がなく、厚労省に電話しても『報告を上げておきます』と言うだけ」と、真摯な現状認識を促した。

小金井さんは「あんたらどれだけの国民を殺すつもり。今回のワクチンがどんなものか、あなたたち一番気づいているでしょ。国民はあんたたちのおもちゃでもモルモットでもない」と突き放した。さらに、「あんたらほとんど打ってないでしょ。厚労省職員の接種率は10%くらい? あんたらが国民の生き死にを決める権利はどこにもねぇ」とにらみつけるシーンがあった。

「厚労省職員の接種率10%」というのは、これまでSNS上などで言われてきた数字だ。真偽の確認のため、福島雅典・京大名誉教授は厚労省職員の接種率の提示を求めた。

夫を亡くした宮城県の須田睦子さんは、「 あなた方が『 安全だ』 とおっしゃったワクチンを打って、夫は亡くなったんです。返してください。それができないのであれば今すぐ、このワクチン接種を中止して、国民に謝るべきだと思います」と迫った。

続いて、福島名誉教授と佐野栄紀・高知大特任教授、小島勢二・名古屋大名誉教授の3人がスライドを使って各15分ほどの発表をした。福島教授はコロナワクチンについて、2020年6月時点で、医学界では無益であることがわかっていたと指摘。科学と医学を無視して接種事業を始めた同省の判断を糾弾した。

同省職員の接種率について、健康局の予防接種担当者が「そういったデータは持ち合わせていません」と答えると、福島教授は「それが確認できんとは怠慢」と応じ、翌日までの回答を強く求めた。

しかし、12月9日の再度の記者会見までに接種率について回答はなかった。遺族側が求めた接種事業の中止はもちろん、福島教授の求めたワクチン接種後死亡者の全例調査や、佐野教授が求めた接種と障害とに因果関係が存在することの周知、小島教授の求めた戦後最大の超過死亡の原因究明についても全く報告がなかった。それで、本記事冒頭に記した2人のあいさつとなったのだ。

・デマを垂れ流す政府とマスコミ

2度目の会見は、和楽器ソウルバンド・HEAVENESEのリーダー、石井希尚(まれひさ)さんの司会進行で開かれた。

「繋ぐ会」の鵜川代表代理と小金さんのあいさつの後、青山弁護士が今後の取り組みについて説明。この中で、救済制度で認められなかった場合の提訴のほか、政府のミスリードに対する責任追及もすべきとの考えを明かした。

河野太郎・初代ワクチン担当相は「ワクチンを打って死んだ人は1人もいない」と発言し、政府が資金提供する医療集団「こびナビ」もユーチューブなどで同様にデマを拡散してきた。

青山氏は、改める気のない厚労省の姿勢について「サリドマイドもB型肝炎もそうだったが、訴訟で(被害者側が)勝って初めて厚生省は重い腰を上げる。それまでは放っておく」と述べ、裁判所に言われれば動くのが官僚の生態だと指摘。また会見では、メディア情報のゆがみについても意見が噴出した。

中村医師は、2022年11月25日発表の人口動態統計速報値を紹介した。同年1~9月の超過死亡が8万2794人に達し、このままでは10万人を超えるのは確実だと警鐘を鳴らす。

「東日本大震災の死亡者数をご存じですか。1万8,000人です。大地震の犠牲者よりはるかに多い。マスコミはコロナのせいだというが、うそだ。コロナ禍の2020年は9,000人も超過死亡が少なかった。コロナのわけがない」。

さらに「政府はいまだに接種推進の姿勢を崩していない。テレビを観れば、ファイザーやモデルナのCMをやっている。テレビの中の学者は超過死亡とワクチンは無関係だと断言しているが、ワクチンを打って3日後に死んだ、1週間後に死んだというのは、絶対ワクチンに決まっているじゃないか。

最近のニュースでも南相馬(福島)にワクチンの製造工場を造ると言っているし、モデルナのワクチン接種年齢を12歳に引き下げるとあった。中止どころか、あざ笑うかのようにもっともっととやっている。僕らの声は全然届いていない」と嘆いた。

鵜川代表が、27歳の娘を亡くした遺族の話を始めた。すると、会場から「私が亡くなった娘の母親です」と発言があった。

「『ワクチンは危険』という声は聞こえていましたが、テレビや議員がワクチンを奨励していたので、そっちが正しいと思っていました。娘は持病がありましたから、迷いました。しかし、周りから『ワクチン反対派は頭がおかしい』『テレビを観ていないのか』と聞かされ、背中を押されました。不勉強だった私が娘を殺したんです」と声を詰まらせた。

この日、取材に来ていたのは、筆者のほか、2人のジャーナリストのみ。いずれも自前の動画サイトまたはメールマガジンで発表している。

鵜川代表は、「まず、国民が知らなければ。どんなメディアだろうと、正しいことを伝えてもらいたい。いいことも悪いことも平等に伝えるメディアと付き合っていきたいし、皆さんが宣伝マンになってもらいたい」と促した。

石井さんは「普通の地上波テレビはとにかくやりませんから。事実が伝わっていないことが一番の問題。どんな小さなことでも、皆さん一人ひとりの声で、エビデンスを上げていただきたい」と呼びかけた。

ワクチン禍とコロナ騒動が終わるかどうかは、正しい情報がマスメディアを凌駕できるかどうかにかかっている。

 

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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