標的にされる島・奄美大島

関誠之

2022年3月6日、陸上自衛隊奄美警備隊創隊、同駐屯地・ 瀬戸内分屯地開設の3周年を記念する行事「観閲式」が住民に知らせることなく、首長や来賓約70人を招待し、隊員の行進、模擬訓練などが披露されたと、地元新聞での報道があった。

この部隊は、南西諸島の防衛強化の名のもとに、奄美市大熊地区に警備部隊・地対空ミサイル部隊の約350人、瀬戸内町節子地区に警備部隊・地対艦ミサイル部隊に約200人の合計約550人が配備され、19年3月26日開設された離島では国内最大の規模となる陸上自衛隊の警備部隊・ミサイル部隊である。

地元である奄美市の朝山毅市長は、議会の質問に対して「東アジア地域が国際的な緊張感にある中、国の責任で守ることは当然のことであり、大変有り難いことだと思っている」と述べ、自衛隊配備の必要性を強調していた。瀬戸内町の議会は、議員全員が賛成派であり、自衛隊配備については議会自身が配備推進の役割を演じていた。

Japan ground self defense force armored vehicle

 

奄美市・瀬戸内町の両首長は、奄美の将来像が大きく変わる事案にもかかわらず、奄美市・瀬戸内町の当局から住民に対する説明会が一度も開かれないままに、14年8月12日に自衛隊の受け入れを受諾した。説明会は、約2年後の16年6月5日に九州防衛局による「奄美大島への部隊配置について」と題して駐屯地の造成地である奄美市大熊町において最初で最後になる説明会があった。

しかし、住民の意見を聞く会でなく、防衛施設庁による事後報告会そのもので、議会が受け入れを全会一致で決めた瀬戸内町にあっては、一度の説明会も開催されていない状況である。防衛施設庁に意見を述べる人がいないと、住民を無視して、一方的に計画を進める防衛施設庁の姿勢があらわになった。

このような状況を踏まえ、奄美市への自衛隊配備に反対する住民グループは「戦争のための自衛隊配置に反対する奄美ネット」(城村典文・代表)を組織し、①住民の平和的生存権維持のため自衛隊基地・奄美への撤回を求める。②奄美の活性化は世界自然遺産登録をもとに観光や農業振興で行うこと。③南西諸島防衛計画でなく東アジア平和経済共同体構築を国に要請してほしいーの3項目をことあるごとに、関係機関等に対し繰り返し要望をしてきた。

16年5月17日に要望を受けた奄美市長は、防衛の問題は国の専権事項と繰り返すとともに「日米地位協定に基づく米軍との一体的な運用の可能性について」問われると、「米軍が来ることがあってはならない。そうなれば私は反対する」と述べています。

自衛隊は良いが、米軍はダメだという理屈が通るのかたいへん疑問である。自衛隊と米軍は一体のものであり、有事の際は、自衛隊は米軍の指揮下に入ることは明々白々である。

現状は16年3月19日に米海軍掃海艇「パトリオット」が名瀬観光バースに停泊、奄美市の施設、飲食街、学校などの詳細な状況を調査したといわれています。その後も17年11月10日、奄美での陸上自衛隊の大規模演習「鎮西29」を実施している中、米軍LCU(汎用揚陸艇)が陸自の人員と車両を輸送する目的で名瀬港に入っています。陸自西部方面広報室によると「米軍とのACSA(物品役務相互提供協定)に伴う入港で合同訓練ではない」と説明しています。

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関誠之 関誠之

奄美市議会議員

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