第1回 差別犯罪としてのウトロ放火事件――ヘイト・クライムを許さないために
社会・経済・ウトロ放火事件報告会
2022年1月23日、東京の新宿区大久保区民センターで、ウトロ放火事件糾弾緊急集会実行委員会主催の「ウトロ放火事件緊急糾弾集会――ウトロで何が起きたのか!レイシストが奪おうとしたものは何か!」が開かれた。集会では、「京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会」事務局長のさとう大が事件の概要を報告した。さとうは「朝鮮学校と民族教育の発展をめざす会・京滋」共同代表も務める。
京都府宇治市伊勢田町の在日朝鮮人集落・ウトロ地区(約60世帯、100人)の住宅や倉庫など7棟が全半焼する火災が起きたのは21年8月30日であった。火元は誰も住んでいない空き家だったが、延焼して家族が暮らす2棟も焼け落ちた。ウトロの歴史を語る様々な看板などが保管されていた倉庫が焼け、「歴史」が失われてしまった。現場検証の結果、出火の原因は漏電と見られた。
前田朗
(一社)独立言論フォーラム・理事。東京造形大学名誉教授、日本民主法律家協会理事、救援連絡センター運営委員。著書『メディアと市民』『旅する平和学』(以上彩流社)『軍隊のない国家』(日本評論社)非国民シリーズ『非国民がやってきた!』『国民を殺す国家』『パロディのパロディ――井上ひさし再入門』(以上耕文社)『ヘイト・スピーチ法研究要綱』『憲法9条再入門』(以上三一書房)『500冊の死刑』(インパクト出版会)等。