【特集】沖縄の日本復帰50周年を問い直す

土地規制法と自衛隊の反戦デモ敵視 土地規制法廃止アクションネットワーク事務局   谷山博史さん

谷山博史

はじめに 

土地規制法と自衛隊の「教範」には共通した市民運動観がある。市民運動の裏に「敵性活動」を行う「隠された本音」があるとみなし、監視と規制の対象と見るものである。日米両政府による「南西諸島」の軍事要塞化が進む中、土地規制法は戦争準備のための体制づくりの一環として立ち現れたと言える。

 

土地規制法とは 

この法律は基地や原発などの国の安全保障に関わる「重要な施設」周辺や国境離島の区域を「注視区域」に指定し、土地・施設の所有者や利用者の行動を調査、監視、規制するものである。施設や国境離島の「機能を阻害する行為」を働くものには行為の中止を勧告・命令し、命令に従わないものには懲役を含む刑罰を科す。

また特に重要な施設のある区域や国境離島は「特別注視区域」に指定し、土地・建物の取引に事前届け出の義務を課する。届け出を怠ったもの、虚偽の届け出をした者には同じく懲役を含む刑罰を科す。

法の条文は対象となる施設と区域、調査の対象や方法、規制する行為などすべてが曖昧で、内閣総理大臣などの判断に白紙委任する内容になっている。国会審議では法による市民規制の根幹をなす事柄が、「安全保障上の理由から答えられない」、法案成立後に設置される「審議会の意見を聞いて決める」などと、政府がすべてを決めるという意向が明らかになった。

この法律による調査と規制のターゲットは第一に沖縄を初め基地の周辺や原発施設の周辺地域であることは間違いない。しかし区域指定の対象に「生活関連施設」があることから分かるように、全国で限りなく調査と規制の対象が広がる可能性がある。

調査では指定区域内及び国境離島の指定された区域または島全体の土地や建物の所有権者や賃借権者だけでなく、「その他関係者」にも情報提供の義務が課される。

密告の義務化である。そして自衛隊や公安警察が調査の実働部隊にもなると考えられる。これは軍の命令によって住民同士が監視し合い虐殺まで引き起こした沖縄スパイ戦の再来と言える。

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谷山博史 谷山博史

土地規制法廃止アクションネットワーク事務局、日本国際ボランティアセンター (JVC)前代表/現顧問、市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)コーディネーター)、日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-Net)顧問著書に「『積極的平和主義』は紛争地に何をもたらすか?!」(編著、合同出版、2015年)、「非戦・対話・NGO」(編著、新評論、2017年)、「平和学から世界を見る」(共著、成文堂、2020年)など多数。

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