【連載】ウクライナ問題の正体(寺島隆吉)

第20回 ミンスク合意とは何だったのか

寺島隆吉

が、ここであとひとつだけ紹介しておきたいことは、 大手メデ ィアでは「ロシア軍の侵略」は
国際法違反だとする論調が圧倒的なのですが、ロシアの行動は決して国際法違反ではないとする学者がアメリカに堂々と存在するという事実です。

ピッツバーグ大学法学部ダニエル・コバリク教授

 

以下は、そのことを主張するピッツバーグ大学法学部で国際法を教えるダニエル・コバリク教授の論考です。

Why Russia’s Intervention in Ukraine is Legal Under International Law「ロシアのウクライナ介入が国際法上、合法である理由」( 『翻訳NEWS』2022/04/27)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-895.html

そこで、コバリク教授の主張を紹介したいのですが、その全てを紹介するゆとりが今日はありませんので、その冒頭部分だけを以下に引用して、本章を閉じたいと思います。

私は長年にわたり、国連憲章の侵略戦争の禁止について研究し、熟考してきた。第2次世界大戦の惨禍の後に起草し合意されたこの文書の第一の目的は、戦争を防止し「国際平和と安全
を維持すること」である。

この言葉は何度も繰り返して引用されてきたが、その目的を本気で疑うものは誰もいない。

ニュルンベルク裁判の判事たちが正しく結論づけたように、 「侵略戦争を始めることは… 国際的な犯罪であるだけでなく、他の戦争犯罪とは異なり、それ自体が全体の悪の蓄積を含んでいるという点において、最悪の国際的犯罪である」 。

つまり、戦争は最悪の犯罪ということだ。なぜなら、大量虐殺や人道にたいする罪などの、
私たちが忌み嫌う悪のすべてが、戦争という木に生る恐ろしい果実だからだ。

上記の観点から、私は戦争と外国への介入に反対することに、成人してからの全生涯を費や
してきた。

もちろん、私は、ひとりの米国市民として、そうする機会が十分にあった。というのも、我が国は、マーティン・ルーサー・キング牧師が述べたように、 「世界最大の暴力の提供者」だっ
たからだ。

最近、同様のことをジミー・カーター(第39代米国大統領)も、米国は「世界の歴史の中で最も戦争好きな国」であると言っている。

もちろん、これは明白な事実である。私が生きている間だけでも、米国はベトナム、グレナ
ダ、パナマ、旧ユーゴスラビア、イラク(2回) 、アフガニスタン、リビア、ソマリアといった国々に対して、相手から挑発されたことがないにも拘わらず、攻撃を仕掛けるという戦争を行ってきた。

ただ、これらの戦争には米国が代理人を通じて行ってきた数々の身代わり戦争は含まれていない。ニカラグアのコントラ、シリアのさまざまなジハード主義者グループ、イエメンとの戦争でサウジアラビアやUAEを通じて行った戦争がその一例である。

ここでコバリク教授は、米国は「世界の歴史の中で最も戦争好きな国」 「相手から挑発されたことがないにも拘わらず攻撃を仕掛ける、という戦争をおこなってきた国」であることを確認することから議論を始めています。

実際、 「このような戦争を通じて、地球上のどの国よりも数多く、また意図的に攻撃を行い、戦争を禁止する法的な柱を弱体化させてきた国」がアメリカだというのです。

そのような認識を前提として以下の議論を始めたいと言っているのです。

実際、このような戦争を通じて、米国は地球上のどの国よりも数多く、また意図的に、攻撃を行い、戦争を禁止する法的な柱を弱体化させてきた。

このような状況に対抗するために、ロシアや中国を含む数カ国が 「国連憲章擁護のための友好国グループ」 を設立し、 国連憲章にある 「攻撃的戦争の法的禁止」 という条項を少しでも救おうとしている。

つまり、 米国がロシアのウクライナ進攻を国際法違反と訴えるのは、 「どの口が言う」 と言い
たくなるほどのものなのだ。

しかし、米国が明らかに偽善的だからといって、米国を自動的に間違っていると言うことも正しくない。結局のところ、私たちはロシアの行為も是々非々という観点から分析しなくてはならないのだ。

さて、そこで今回のロシアの行為であるが、まずはここから議論を始める必要がある。

(以下、 略)

いよいよ議論が面白くなりそうなところで、この論考を打ち切らざるを得ませんが、この続きを一刻も速く読みたい方は、先のURLをクリックしていただければ、幸いにも翻訳が載せられていますから、どうかそちらを参照ください。

というわけで申し訳ありませんが、今日はここで失礼させていただきます。 今日も朝からずっと書き続けてきたので疲れました、私の健康維持のため、今から散歩に出かけます。どうかお許しください。

(追記)

以下は2014年にウクライナでクーデターが起きたあと、キエフ政権がその年の夏からどんな攻撃をドンバスに加えてきたかを記録したドキュメンタリーです。

RTでこのような最新のビデオがアップされたことを、最近まで知りませんでした。

2022年4月15日に放映された約50分のビデオです。心と体にゆとりがある方は、どうか御視聴ください。

*DONBASS WAR: Summer 2014 (ドンバス戦争、2014年夏)
https://rtd.rt.com/films/donbass-war-summer-2014/

英語による字幕しか付いていませんが、それを無理に理解しようとせずに、ドンバスでどのような光景が展開されてきたのかを知っていただくだけで、アメリカとウクライナの主張がいかに嘘に満ちているかを知っていただく一助になると思います。

(寺島隆吉著『ウクライナ問題の正体2—ゼレンスキーの闇を撃つ—』の第5章から転載)

 

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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