【連載】情報操作を読み解く(浜田和幸)

第2回 日本でも確認され、拡大が懸念される“モンキー・ポックス(サル痘)”

浜田和幸

ところで、毎年6月は「プライド月間」と呼ばれ、LGBTの権利を推進する活動が世界的に開催されるため、各国の衛生当局は警戒を強めています。日本でも代々木公園で3万人が集まる集会が開かれました。

これは1969年6月28日、ニューヨークを皮切りに発生した「ストーンウォールの反乱」に因んで、LGBTQ+の権利を促進しようとするものです。性の多様性を象徴するシンボルとして6色のレインボーフラッグが掲げられ、世界各地でイベントやデモが展開されています。

Big rainbow flag is waving in the wind with sun shining throughMore of my flag images:

 

いずれにせよ、プライド月間の期間中は、特に同性愛者の集まりが大規模に開かれるため、モンキー・ポックスの感染拡大に一層火が付くのではないかとの懸念が広がっていました。主催者の間では「コンドームの着用」を呼びかける声も聞かれましたが、それだけでは予防対策となるのかは不明です。なぜなら、キスだけでも感染することが明らかになっているのですから。

であれば、燎原の火の如く、急速に拡大が広がる恐れも否定できません。そのため、アメリカはじめドイツ、フランスなど欧州各国では、早速、サル痘用のワクチンを緊急かつ大量に確保する動きが始まっています。バイデン大統領曰く「アメリカ国民全員に行き渡る量を入手するので安心して欲しい」。この数年、コロナのパンデミックを経験したことで、対策は素早いと言えそうです。

実は、こうした事態を予見していたかのように、天然痘ワクチンを改良してサル痘用のワクチンを開発していたワクチンメーカーがあるというので驚きます。しかも、このメーカーにはビル・ゲイツ氏やCDCのファウチ博士が資金提供を行っていたとのこと。まさにCOVID-19用のワクチンを手回しよく準備していた欧米のワクチンメーカーと同じ流れが見て取れます。

Vaccination for booster shot for Smallpox Monkeypox MPXV . Doctor with vial of roses vaccine for Monkeypox disease

 

しかも、専門家の間では「現在拡大中のサル痘はアフリカ由来のウイルスとは違い、人工的な手が加えられている」との指摘も出ており、ますます疑わざるを得ない状況です。思い起こせば、ビル・ゲイツ氏は新型コロナが発生する直前の19年10月に、ニューヨークで「イベント201」と称するシミュレーション会議を主催し、「感染症が勃発するので、ワクチンメーカーに投資すれば大儲けできる」と呼びかけていました。実際、その通りになっています。

今回注目を集めているメーカーはオランダに生産拠点を構えるババリアン・ノルディク(BVNRY)社です。現時点では、サル痘ワクチンとして認証を得ているのは、このBVNRY社製が最も先を行っています。

そこで、バイデン大統領は取り急ぎ1億2000万ドル、すなわち1200万人分のワクチンを発注しました。そうした報道がなされると、同社の株価は70%も急騰し、現在も高騰が続いています。これでは「モンキー・ポックスは投資家を大儲けさせてくれる“マネー・ボックス”か」と揶揄されるほどです。

しかし、昨年3月、ドイツのミュンヘンで開催された国際バイオセキュリティ会議においては既に「22年5月中旬にモンキー・ポックスが世界的に大流行する」というシミュレーションが行われていました。この会議に参加した専門家の予測では「当初の被害者は限定的だが、23年1月10日までには死者の数は130万人に達する。23年末には、死者は数億人にまで膨れ上がる可能性がある」とされています。

オランダの会社以外にも、アメリカのワクチンメーカー2社が既に開発を進めていることが報道されています。こうして手回しよく、ワクチンが開発、製造されるようですが、ウイルスの変異が急速に進むため、「22年末の時点ではワクチンの効果が効かなくなる」との予測も出されています。

これらの状況を事前に把握していたと思われるバイデン大統領は、先のアジア歴訪においても、まずは韓国で、その後、日本でも「サル痘に気をつけろ」と語っていたものです。しかも、アメリカからは「日本にサル痘が上陸するのは6月10日前後」との具体的な忠告もあったようです。

今後の感染状況次第とはいえ、日本への上陸は既に始まっており、予断を許しません。日本では全く報じられていませんが、バイデン大統領はこのサル痘用のワクチンを開発中のババリアン・ノルディック社の治験を実施しているペンシルベニア大学病院付属のシンクタンク「ペン・バイデン・センター」の創設者に他なりません。

サル痘が広がり、ワクチンが売れれば売れるほど、バイデン大統領のファミリー・ビジネスでもある同シンクタンクに配当金が支払われることになっています。

そうした背景もあり、バイデン大統領は韓国と日本に対して、いつでもワクチンを提供する用意があると伝えたわけです。その後、後藤茂之厚労相が「現時点で、日本ではサル痘の感染は確認されていないが、万が一、日本で感染が起きても、テロ対策として備蓄しているワクチンがあるので大丈夫」と発言しましたが、アメリカからの提供を念頭に置いたものと思われます。

それどころか、コロナとサル痘のダブルパンチで、アメリカでは「秋の中間選挙は延期せざるを得なくなるのでは」といった観測も出ています。支持率の急落で厳しい選挙になっているバイデン民主党にとっては「願ってもない感染症」と言っても過言ではありません。その実態はまだ解明されていませんが、コロナの次は「サル痘」という可能性は高まる一方です。

当初、楽観的だった日本政府は国内での2人の感染者の発生が確認されたため、「今後はWHOとも連携し、注意を怠らないようにしたい」とのこと。6月10日からは海外からの旅行者の入国制限も順次緩和する方針を打ち出した日本政府ですが、新型コロナに限らず、サル痘という新たな感染症の登場は「寝耳に水」といったところかも知れません。

要は、コロナに加え、サル痘という未知の感染症が急拡大するという危機的状況が生まれようとしているわけです。今こそ、世界が一致協力して対策に乗り出す必要があります。言い換えれば、個別の投資家やワクチンメーカーが「濡れ手で粟」で大儲けするような状況を、今が食い止める最後のチャンスかも知れません。

いずれにせよ、問題はワクチンのもたらす副作用のリスクです。コロナ用のワクチンも同様ですが、天然痘やサル痘用のワクチンに関しても懸念が払しょくされていません。

アメリカでは過去40年にわたり、天然痘でもサル痘でも感染者が死亡する事例は皆無でした。その反面、天然痘のワクチンを接種した結果、副作用に襲われたり、死亡したりした人の数は5700人に達しているのです。これでは何のための予防ワクチンなのか、懐疑的にならざるを得ません。

サル痘ワクチンについても同じ轍が繰り返されないことが望まれます。更に言えば、外国製のワクチンに依存するのではなく、日本由来の発酵食品や地域の人々や自然との触れ合いを活かした健康増進を心がけ、日本独自の感染症予防に取り組む時ではないでしょうか。日本政府はコロナ対策と称して「8000万人への接種」を目標としているようですが、免疫力を高める方策をもっと自然な形で実行することが大切だと思われます。

 

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浜田和幸 浜田和幸

国際未来科学研究所代表、元参議院議員

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